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”数字だけでは計れない、売場の声も生かすことが |
出来てこその営業本部である。” |
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大学卒業後、海外勤務がしたいとの思いから、名古屋にある工業用品の製造卸会社に就職しました。そこで、一年ほどフィリピンのセブ島に管理者として赴任しました。しかし、一人に対して7LDKの住まい、メイド・運転手つきの現地での生活は人間をダメにするだけではなく、日本にいる友人との間に考え方・価値観の溝が生じてしまうことに危機感を抱き、自ら志望し帰国しました。
2年で退職した後『最後の夏休み』と称して、貯金・退職金・失業手当で一年ほど国内・海外旅行の日々を送りました。一番印象に残っていることは、アメリカに 日間滞在し 試合メジャーリーグを観ようと毎日各地を飛び回ったことですね。 お金が尽きた頃、名古屋から浜松に戻り谷島屋でアルバイトを始めました。もともと本が大好きで小学生の頃から空き時間を図書館で過ごしていました。それがきっかけだったのでしょう。そのまま一年後に自然の流れで社員となりました。
ららぽーと磐田店で、既刊本を再び売り込むことに成功したことです。『鋼の錬金術師』の作者で農業を主題とした『百姓貴族』というコミックエッセイがあるんですね。もう一度売りだす背景に①店が位置する磐田市は農業大学があったり農業への関心が比較的高いということ、②『百姓貴族』の出版社は町の書店では調べない限り辿りつくことが難しいということ、③ららぽーと磐田店の商圏は浜松・磐田・掛川に加え、高速道路直結のスマートICにより静岡から足を運んで下さるお客様もいらっしゃるほどとても広いため、一見さんも多く、このコミックの存在を知らない人がほとんどではないか、という分析がありました。
幾度も試行錯誤を重ねて売り続けたところ、半年間で 冊ほど売ることができたんです。これはリピーターの多い書店では難しく、一見さんが多い書店ならではの戦略ですね。「この本見たことある?」、「この本も好きでしょう?」と、もう一冊手にとって頂けるような売場展開を目指していました。
本部では主に仕入と店舗支援という二つの役割を担っています。まず、仕入では売れている本、売りたい本を見極め、スタッフが不足している店舗の仕入れを代行しています。僕がまとめて発注すればものの 分で終わってしまう作業を、例えば僕が担当の 店舗の店長が5分ずつかけて行うとしたら、これだけで 分のロスとなり非常に効率が悪い。これまで発注に費やしていた時間を店作りに充てることができますよね。
店舗支援とは、書籍の並べ方、ディスプレイ方法など、店舗のアピール力を高めるサポートのことです。版元さんから薦められた本を本部で仕入れて、それを上から下に流すだけではなく、出来る限り月に一度は担当している店舗を全てを訪問し、外部の視点から売り方のアドバイスをしたり、逆に良いと感じたディスプレイは他店舗に紹介しています。(左ページ写真参照)
本部に異動になってからも、またレジに立ちたいと何度も思います。パソコンがはじき出す数字で、全てを把握できるわけではありません。売場に立ち耳を澄ませば、お客様がどのような本を求めているのか聞こえてきます。ここは営業本部と売場(浜松本店)が直結している珍しい作りです。おそらく社長、専務も数字だけでは計れない、売場の声も生かすことが出来てこその営業本部である、という同じ想いなのだと理解しています。夏が終わるまでには未だ足を運べていない富士地区の店舗に行かなければ、と思っています。
今話題になっている電子書籍について、私自身が使ってみた感想として実用書や専門書は向いているかもしれませんが、小説だと情景がつかみにくく物語に入り込めませんでした。全てが全て電子書籍になるわけでもないですよね。版元、書店、お客様…いろいろな方の意見を聞き、上手くバランスを取る方法を見つけていきたいです。
もう一つ。常連さんだろうが、一見さんだろうが、親御さんについてきたお子さんだろうが…一冊でも多く手に取ってもらう、三回店を訪れたら、一度は買って頂ける書店にしていきたいです。そのためにも、特に児童書、コミックの中身をオープンにしていきたいです。子どもは表・裏の絵と何となくの口コミという限られた情報と、限られたおこずかいの範囲で本を選びます。中身を見られず、泣きそうな顔をしている子どもを見るのは辛いです。私は子どもの頃、どの本を買おうかと本を選ぶのに数時間もかかっていました。子どもが「本を選ぶ」という間口を広げてあげたい。そのためにもできるだけ多く版元さんから見本の冊子を仕入れたり、こちらで分かる範囲で中身を要約して示してあげたいと考えています。
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担当している書店で目に留まったPOPは写真に納めて他店舗に紹介
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コミックを途中まで読めるようにと愛情がこもった手作りの見本コミック |
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見本が多くあり、子どもの好奇心をくすぐる絵本コーナー |
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まるでここは広島か!?と勘違いしてしまうほどカープ一色。 |
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