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”関連を知って組み合わせる、 |
それだけで売上げは全然違います” |
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20年前アルバイトとして宝塚店(旧本店)へ入社しました。マルサン書店はその頃から、当時の書店では取り扱いの少なかったキャラクターグッズや画材を扱っており、それらの発注管理も教えてもらっていました。その頃はキャラクターグッズなどに詳しくはなくやりながら覚えるって感じでしたが、その仕事は楽しく、ガシガシやっていましたね。程なく正社員への誘いがあり現在に至ります。
18年前に、お客様からの要望で世界初のトレーディングカード「マジック・ザ・ギャザリング」を取り
扱ったのが始まりです。その後「遊戯王」が爆発的に流行し、カードの販売が軌道に乗りました。さらにお客様からの要望でカード大会を開催することになりました。すると、大会の参加者が、カードだけでなく、コミック・児童書・キャラクターグッズなどを買っていく姿を見ました。これは書店とうまくマッチすると思い、大会を頻繁に開催するようになりました。
カード大会の運営自体はそこまで難しい事ではありません。ゲームの進行は、参加者の中で仕切ってくれる子に任せたりしています。
やはりある程度の商品知識やルールは勉強しないといけません。特にカードはお客様の方が商品知識が豊富なことが多いので、こちらがわかっているかどうか見透かされますからね。知っている人がやっているんだなと思ってもらえるような、つまり、お客様が求める商品展開を心がけています。そうしないとお客様は他の店に行ってしまう。それは、カードに限らず、本や他の商材でも一緒の事です。
カードを購入するお客様は一緒にTRPG本を買っていく方が多くいらっしゃいます。昨年TRPGコーナーの「クトゥルフ」関連書籍をカード常連のお客様が購入して行くことに気が付きました。理由を尋ねたところ、その頃ヒットしたアニメ「這いよれ!ニャル子さん」の元ネタが「クトゥルフ神話」だという事を知ったのです。それをきっかけに「クトゥルフ」関連のコーナーを拡充し、大会に合わせてフェアを行ったところ、一冊6090円のルールブックがひと月に6~7冊売れたんです。それに加えてみんな関連書籍をセットで買っていく。決して安くはない本をですよ。
その後も毎月大会の度に確実に売れて行きました。
ただカード・本を扱うだけか、関連を知って組み合わせて展開するかでは売り上げは全然違います。
お客様と交流を持ち、情報交換をすることです。 クトゥルフ神話の拡販成功についても、トレーディングカードを買われるお客様から情報を得て商品展開に繋げる事が出来ました。直接要望を言ってもらえるような信頼関係を築くため、お客様にはなるべく話しかけるようにしていますね。
富士急店から長泉店に異動することになった際、何名ものお客様に『これからはそちらにも行きます。』と仰っていただき、実際に異動後の店舗にも来店していただいた事がとても印象に残っています。今後もそのような接客や心遣いを大切にしていきたいです。
トレーディングカードに限らず、この職業は専門知識に合わせて、この作品が売れるか売れないかの「直感」が大切だと思います。
例えば昔に比べ、アニメ化されるコミックの点数が膨大に増え、すべての作品を展開することが困難ですそのため、ある程度作品に期待値があるものは先行投資し、それ以外はアニメ放送を最低2・3話まで視聴し、「これだ」と思った作品を展開させます。そうやって実際にそれが当たっているという感触を掴んできました。
スタッフにも、直感で判断しそれを売り場に活かしてもらいたい。経験を積んでもらうため、現場での仕事はなるべく部下に任せるようにしています。そしてある程度そのような指導育成が出来たスタッフを本店より各支店に順次派遣しています。
書店は本だけという概念を捨て、特に若いお客様が来ていただけるように色々な商材やイベントに今後もチャレンジしていきたいです。
みなさんも厳しい状況が続いていますが、若い世代が書店に興味を持ち携帯やネットではなく書店に足を運んでいただくよう色々な努力を続けていきましょう
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