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”目標とスタッフのモチベーション、 |
売上とお客様満足のバランスを常に考えます” |
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もともと本が好きで、学生時代に札幌の某書店でアルバイトをしていました。学校よりも一生懸命になる程楽しかったんですよね。その思い出が残っていまして、転職を考えたときに次は自分の好きなことを職業にしたいと考え、今の会社の面接を受け、アルバイトとして採用されました。
雑誌のバックナンバーをたくさん販売したことです。当時小さな店舗の店長を任されていた私は、『何か売れるものはないだろうか』と頭を悩ませていました。そんな時、ある書店員さんからアドバイスをいただき「SAVVY」という情報誌なら売れるのではないかと考え、バックナンバーを強力にプッシュすることにしました。POPでアピールはもちろんのこと、手を尽くして商品をかき集め、売れては補充を繰り返し、丁寧に根気よく販売を続けた結果、累計で1000冊を販売しました。始めは手に入りにくかった追加発注商品も『きれいな商品が返ってきたので回しておきました!』と、出版社や取次さんの方からアクションが返ってきた時は嬉しかったですね。
新大阪駅構内という立地柄、通学・通勤時間となる朝8時台と夕方6~9時が忙しいです。そしてお客様の求める情報がとにかく速い。開店からの2時間で売れた商品はすぐ追加発注をかけるようにしています。
また、新幹線を利用されての出張のお客様も大変多く、ビジネス書の売上構成比率の高さが新大阪店の最大の特徴だと思います。お客様の実に75%が男性で、そのうち30代~50代が65%を占めています。
(右図:新大阪店の売上構成比率。一般書店におけるビジネス書の売上構成比率は5%程度)
お客様は大きく分けて【時間のある方】、【時間のない方】だと捉えています。じっくり商品を選ぶ時間はないが何か読みたいという後者のお客様に対して、いかに適切な商品アピールが出来るかが勝負です。迷っている背中をぽんと押してあげられるようなPOP作りを目指しています。
今期のテーマは『お客様本位の買い場を整える』です。立ち読みの多い雑誌コーナーは整理整頓を徹底し、時間のないお客様でも見やすく・探しやすく・取りやすいようボリューム感を持って陳列しています。
駅中に専門書を買いにくるお客様はほとんどいません。かといって話題本、ベストセラーだけ置いておけばよいというのは本屋ではありません。駅中という限られたスペースですので、商品を厳選しながらも、プラスαを打ち出していかなければなりません。日本でも有数の情報発信スピードが求められる現場ですので、常にアンテナを張り、お客様の問い合わせ内容に敏感に反応し商品を入れ替えています。
個人的には、お店を客観的に見るため、毎朝出勤したらまず遠くから自分のお店を眺めて昨日と違うところがあるかチェックをしています。自分の仕事に満足し現状に慣れてしまったら、それ以上の発展は望めませんので、これはずっと続けています。
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リーダーシップフェア。
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発売日の雑誌など目的買いの多い商品は、見つけてもらいやすいようボリューム感を重視した平積みで陳列 |
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平積みされた雑誌の前には多くのサラリーマン風の男性であふれている。まさに統計通りの光景! |
面接時にいつも聞くことがあります。それは『自分が経験した嫌な接客対応』です。それはやらないようにしましょうと約束して入社してもらいます。それを書き出した紙は出社したら必ず最初に目に留まるよう各自のロッカーに貼ってあります。半年に一度は個人面談を行い、相談ごと等を個別に聞くほか、一日に必ずひとつは業務以外のことで声掛けを心掛けています。スタッフとの信頼関係なくして店舗運営は成り立ちませんから。
うちの会社ではアルバイトさんでも担当ジャンルを持ってもらい、基本的な商品セレクトを任せています。新しい商品導入も、数字や過去の事例をもとにした具体的な提案があればOKを出しています。
さらに、各ジャンルに毎月・毎日の売上目標があります。数字を明確に掲げることによって、『どんな客層に何冊売れました』と具体的な報告が返ってきます。数字は使いようで、自分がこんなに売ったんだ、と自信・やる気に繋がっていくものです。しかし、数字ばかりを追ってはお客様が見えなくなってしまいます。 目標とスタッフのモチベーション、売上とお客様満足度のバランスを常に考えています。
お客様から『ありがとう』と言われると本当に嬉しいです。今、この瞬間も多くの書店さんから『ありがとう』が聞こえてくるようです。『ありがとう』をもっと言ってもらえるお客様に愛される書店づくりをしていきたいと思います。
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