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”書店というフィールドを利用して |
とにかくやってみる、怖がらずに” |
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祖父がふたば書房を創業して、僕で3代目になります。生まれた時から家の前が本屋で、本は読むものではない、売るものだという事を幼いながらに思っていました。
せっかくの舞台を利用しない手はないと思っていましたから、大学3回生になり進路を真剣に考え出した時、まずは書店業を継ぐために役立つ職業に就こうと思いました。会社を経営していくとなると「お金を借りる」ことが自分の仕事になってくるのではと思い至り、銀行に就職することを決めました。この時に得た知識と経験は大変役立っています。銀行の担当者は嫌がってますけどね。(笑)
『地元にあるべき本屋さん』を目指しています。例えば家電などの大きな買い物をするならば、多少遠くとも大きなお店に行くでしょう。でも本屋さんは違います。徒歩や自転車で行ける場所にあることが重要で、そうやって来てくれるお客様の期待に応える本屋でありたいと思っています。
書店という安定した基盤をもとに、新しい事業に挑戦し収益を上げていきたい。そのためにはまず、皆さんに来てもらえる書店をしっかりと作らなければいけない。それには人材育成・社員を大切にすることが重要だと考えています。
とにかく僕の仕事は、稼ぐための方法を考える事。社員に払う給料が何よりの結果です。ふたば書房で働いて良かったと思ってもらえるようにしたい。目標は社員平均月収40万円!
ただ命令するだけでなく、なぜそうしなきゃいけないのか理由をつけて説明しなければ人は聞きません。
具体的な内容としては、社員に読書感想文を課します。書店員として最低限知っていて欲しいベストセラー本や、私のお勧め本の感想を会議で発表してもらいます。また、備品の申請の際には必ず費用対効果の数字を提出してもらっています。コスト計算の考え方を身に付けてもらうためです。その計算があっているかどうかよりも、経費の感覚・考え方を身に付けて欲しいと思っています。
間違えてもいいんです。大切なのは自ら考え実行すること、自分なりの答えを持つということです。時には赤っ恥をかくこともあるでしょう、しかしそれも成長のために重要な要素だと思います。
他には、出版社と協力してふたば書房オリジナルPOPコンテストを実施し、選ばれた社員・スタッフを出版社がランチに招待するという「社員還元プロジェクト」もやっています。社長への接待より有効的なお金の使い方だと思いませんか?社員のやる気・モチベーションアップへの効果は高いです。
直近では文具・雑貨に力を入れています。面白いですよ!書店は子供からお年寄りまで来られるという間口の広さと敷居の低さがあります。このフィールドを利用しない手はないじゃないですか。1から店づくり客づくりを始めるよりも、書店という既にあるフィールドで他に売れるものを置く方が手っ取り早い。ペン1本でも置いてみて欲しい。結構売れるものですよ。とにかくやってみる、怖がらずに。
本はこの世からなくなりません。読書は人間の最後の娯楽だと思います。定年後のおじさん達が毎日新刊を目当てに通ってくれているという事実が裏打ちしています。また、阪神淡路大震災の時に避難所では1冊の週刊誌が取り合いになったと聞きました。人間は想像力の生き物。本の世界に入ることで心が癒される。本には値段以上の価値があるのです。
そのような事業に携われることを誇りに思います。
ふたば書房のポイントカードには同社の創業者洞本庄太郎氏が書店を開業するきっかけとなったキケロの言葉が記載されています。
【抜粋】
「書籍は青年のための食物となり、老人のためには娯楽となる。
病める時は装飾となり、苦しい時には慰めとなる。
内にあっては楽しみとなり、外に持って出ても邪魔にならない。
特に夜と旅行と田舎においては、良い伴侶となる。」
マルクス・トゥルリウス・キケロ
(共和制ローマ期の政治家、哲学者)
根拠なく悲観するのはやめましょう。書店というのは基本的には安全な事業です。不景気とはいえ、明日潰れるわけではないのですから。まずはひとつ自分が自慢出来ることをもち、お互いに成功事例を出し合い、情報交換をしていきましょう!
ふたば書房のさまざまなグッズ展開をご紹介 | |||
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京都の土地柄にちなんで”和”をテーマにした商品展開の京都雅コーナー。マニアックな物がよく売れるという。
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色々なデザインの和柄ブックカバー |
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干支お手玉はヒット商品!
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