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ウィー東城店/佐藤 友則さん

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【第37回】ウィー東城店 佐藤 友則さん

 

 

 ”本でしか出来ない世界をどの角度からやるか”
 

 
   
株式会社総商さとう
代表取締役社長
ウィー東城店 店長
 

佐藤 友則(さとう とものり)

 

 広島県神石郡出身。書店員歴18年。大の広島カープファン。休日にはパン屋を巡り・雑貨屋では店内で提供するコーヒーに合った食器を見つけることが愉しみ。お客さんにオススメされた本は極力読む。日本人らしい生きざま・死にざまの物語に心打たれる。

  

     
 
   



 書店の横には美容室、駐車場敷地内にはコインランドリー、店内には化粧品ブース、その奥にはエステサロン。照明や壁紙、什器の配置にこだわり、書店業以外も本格的に営業されているのがウィー東城店。

 そして「明日ここに精米機を設置するんですよ。」とワクワクとした顔で話されるのは、店長であり株式会社総商さとうの社長佐藤さんである。

  

 
  
 

佐藤さんが何かを始める時に心掛けていることを教えてください。

 
 二十代前半、名古屋のいまじんで書店員修行をさせてもらいました。経営理念である「より高く飛べばより広く見える。」は、これまで自分がやってきたことの軸になっています。やるならば、志し高く、揺るがずにやり通すことと解釈しています。

 大学を中退し、どういう社会人になるべきかわからずにいました。その際に当社の先代である父から、「いまじんの創業者である近藤さんに相談してみろ」と言われ、実際に「僕、どうしたらいいですかね?」と連絡してみました。すると「この極道息子が!AかBで悩んでいるならアドバイスのしようがあるが、無の状態で相談してくるような奴をどこかに紹介なんてできるわけないだろう。いまじんに来い!」と言われ、深く考えずにとりあえず行きました。当時は近藤さんの言葉の意味を分かっていませんでしたが、後々になって言葉に込められた想いが分かりました。教えを裏切るようなことはせず、理念を体現できる社会人であろうと決心しました。最近、これから実行を検討している企画について伝えたところ「君は地域のニーズを深堀してきたが、ついに地球の裏側まで届いたか」と喜んでくれました。恩師である近藤さんのような大人に近づきたいと思っています。

 また、「盥(たらい)の水」という経営理念が当社にあります。盥の中の水を自分に引き寄せても、水は逃げるばかりで集まらないが、相手に押し出すと反動で返ってくるという二宮金次郎の言葉です。水をサービスや思いやりと捉えてください。僕は相手にひたすら水を押し出します。しかし見返りは求めません。もちろんどんな結果になるのか想像はしてしまいますが、想像通りでもそうでなくても、結果に対して感情を揺らすことはしません。仮に揺らしてしまうと、時代や相手など、何かのせいにしてしまいます。全ては自分の責任だと意識しています。

これから実行を計画している企画について教えてください。

 私と複数人で、アマゾンを利用して海外向けに出版を計画しています。

 8年程前から、アマゾンで販売が出来ないかと漠然と考えていました。当時既にアマゾンが日本に浸透していた為、どうせやるならば海外向けに展開しようと思ってはいましたが、具体的な販売方法が分かりませんでした。そのタイミングでせどりをされる方と出会いました。個人が製造元や販売元企業から直接仕入れることは難しく、困っている話を聞いて「我々小売りは、メーカーや問屋とつながっていることが武器」だと気付きました。商品の仕入れを協力する代わりに、販売ノウハウを教わり、そのうちに海外で日本の何が売れるのか傾向をつかむことが出来ました。その結果、日本語のテキストを出版しようと決めました。我々が作るテキストは本来、7月出版の予定でしたが発売日が9月に延期となりました。よって、ここで話せる範囲が狭まってしまいましたが…基本的には日本語を学びたいと思っている多くの外国の方に役立つ全く新しいタイプのテキストです。せっかく新しいチャレンジをするなら、既成概念にとらわれないものでありたいし、大きな可能性を感じられるような仕組みでありたいと思いました。

 当初は、経験からアメリカで売れる可能性は高いと予想しており、アメリカ国内で販売する構想でした。しかし、本誌の特長ならば全ての言語をターゲットにできると気付きました。では他国で認知してもらうためにはどうしたらいいのか考えた結果、7月にフランスで開催されるジャパンエキスポに日本の出版企業として出展することを決めました。
 本を通じて、海外の方に喜んでいただきたいですね。

佐藤さんが思う今後の書店業界について教えてください。

 今のやり方だけではなく、本でしか出来ない世界をどの角度からどのようにやるかを考え、実行すれば、書店業界は生き残れる可能性が十分にあります。

 近年中国山陰地方では、他県から移り住んできた人達によって古本を扱ったビジネスが増えてきています。本を用いたビジネスを行うにあたって、僕の親友は中国地方(四国の一部も)の本屋や古本屋を休みの度に車で廻っています。しかも、一度ではなく何度も関心のあるお店をくまなく訪問しています。彼に見えている世界は間違いなくこの業界の未来の一つであります。

 本でしか出来ないから、本を用いて商いをする人がいる。この事実は、今後も途切れることはないと予想しています。

今後の業界を作っていく若手にアドバイスをお願いします。

 当店のスタッフにも言っていますが、「損得ではなく、20代は好きなだけやりなさい」これにつきます。
 その時・その場所・その立場、だから許容される行動があります。20代での失敗は許容されますし、後輩の失敗を30代、40代はフォローできなくてはいけないと思います。

 今の勤務時間外の過ごし方が今後にどう活きるかを想像し、どう行動するのが良いかを考えて、好きなだけやりなさい。とアドバイスします。
PS「好きなこと」とは異なります・「好きなだけ」です。


■ レジ前に並ぶ、オススメ商品の棚

 
 実は、製造元は本屋への納品は前例がなく、卸してもらうにはまず信用が必要でした。

東京で行われた出汁取り教室へ参加した際にはまだまだ取引をしてもらえる状況ではありませんでした。その後、製造元の社長がウィー東城店のこれまでの取り組みを知って、その姿勢に共感し販売の許可を出してくださいました。
「売れるまで2年は辛抱しろよ」と言われましたが、入荷後あっという間に完売してしまうほど町の住民に喜ばれましたね。(佐藤)

 6月には出汁の取り方ワークショップを店内で実施予定。

 
 
■ 佐藤さんオススメ古書店2店舗






弐拾dB (ニジュウデシベル)

 


汽水空港 (キスイクウコウ)
 
      「深夜に開いている古本屋があったら、物語的で素敵だろうな」と思ったことをきっかけに、平日の営業時間を深夜に設定。それにも関わらず、地元住民との交流の場として愛され、春には3周年を迎えた。       畑をしながら本屋をやりたいと考えており、2011年6月に千葉から鳥取へ移住。2016年10月に倉庫として使用されていた小屋を古書店に改築し開店。トークイベントやワークショップ
等も実施。  
 

■ 東城の景色を残すブックカバー
 
 
 広島県庄原市は鳥取県と面しており、県境にある東城町にウィー東城店はある。地名に城が付く通り城下町であった。お店の近くには歴史ある家屋が軒を連ねた通りが保存されている。
その風景を印字した厚手のブックカバーからは、町を大切に想うお店の温かさが伝わる。


 

佐藤 友則さんのいちおし☆BOOKS



あふれでたのはやさしさだった

寮 美千子 著

西日本出版社 刊 


【作品紹介】
『重い罪を犯した人間でも、心の底に眠っているのはやさしさなんだ。』そう著者が気づかされた、奈良少年刑務所で行われた授業。その授業を通じて、少年たちが素で感情を出せるようになるまでのエピソードが綴られている。

【オススメ理由】
人が努力できる聞き方の最高峰が1冊に詰まっています。
日常で起こる対人問題のだいたいはコミュニケーションエラーだと以前から思っていました。本を読んで、エラーは話し手より聞き手側の誤りが多く、仮に話し手が間違った言葉を選んでいても、聞き手が正しく聞き取れていればある程度回避できるんだと再確認できました。
 収監されている少年らと接する刑務官の聞き方は、子育てや上司部下の関係、地域交流など、どんな場面でも活用できると思います。

 

 

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  こちらの記事はDAIWA LETTER55号に掲載されています
   
 

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   (※記事内容はすべて2019年6月現在の情報です。)                                                                               
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