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ダイハン書房/岡本歩さん

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【第35回】ダイハン書房 岡本歩 さん

 

 

 ”お客様が喜んでくれることを楽しんでやりたい”
 
ダイハン書房 岡本歩さん  
   
ダイハン書房高槻店  

店長
岡本 歩(おかもと あゆみ)

 

 

岡山県出身。代々木アニメーション学院卒。学生時代にCDショップでアルバイトをし、売り場作りの楽しさを知る。卒業後、実家の縫製工場(こうば)の手伝いをしていたが、田舎のしがらみに疲れて上阪。以来2書店を経験し、書店員歴は13年。5年前のダイハン書房入社当初は初芝店(現在は閉店)と高槻店の店長を掛け持ちしていた。趣味は絵を描くこと。イベントのチラシからポスター、帯などは自作している。

  

   
   
     
 
   


 ダイハン書房は、兵庫県尼崎市に本店、他3店舗を構える地域に根ざした書店。高槻店は阪急高槻駅ビル内にある55坪のお店。


 今回、FM802(※1)のDJ浅井博彰さんの番組「SUPERFINE SUNDAY」内の本を紹介する「MORNING STORY」をきっかけに、今ではダイハン書房の名物となった「FM802」コーナー作り、数々の共同イベントを開催してきた岡本さんにお話をお聞きした。

 

(※1)FM802…1989年開局の大阪府にある民放FMラジオ局。オリコンなどに左右されない独自の選曲基準で絶大な人気を誇る。

  

ダイハン書房高槻店 
  
 

書店員歴とダイハン書房に入社したきっかけを教えてください。

 
 書店員歴はバイトを含めて13年です。ダイハン書房に入社したのは5年前。お世話になった方から社長(長谷川政博氏)を紹介していただいたのがきっかけです。社長は事務所にこもらずとにかく現場に出て人に会うという方。先のことをちゃんと考えていて、売っていこうっていう情熱のある人です。前職をやめた際もう本屋はやらないと思ったにもかかわらず、この人と一緒に働きたい!と思い再び本屋に勤めています。


 ジャンルはコミックをはじめだいたい担当してきましたけど、スポーツのジャンルはとても苦手です。

FM802のDJ浅井博彰さんのコーナーを作ったきっかけは。

  
 店頭で流していたFM802をぼーっと聞いていたら、ある番組で本の紹介をしていたのが耳に入ってきたんです。まとめ方がとても上手で、思わず読みたくなり何回か買っているうちに、お客様の中にも同じように本を探している方がいるのではと思いました。始めに初芝店で展開してみたところ、動きはありませんでした。しかし、しばらくして高槻店でお客様からラジオで紹介された本の問合せがあり、これはいける!と文庫担当とコーナーを作りました。これが始まりです。その時に初めて浅井さんの名前を知りました(笑)。


 2016年2月にツイッターで、「浅井さんが紹介した本のコーナーを作りました」とつぶやいたら、なんとご本人から「今度番組で紹介します」と返事が来たんです。思わず担当と顔を見合わせました。本当に紹介されるのか半信半疑だったのですが、突然「ダイハン書房」の名前がラジオから聞こえてきた時はとても興奮しました。「このお店802で紹介されてたよ」と話すお客様の会話も聞こえるようになり、要望に応えられていることが嬉しくて、あのコーナーをやめられなくなりましたね。

ダイハン書房高槻店のFM802コーナー
試聴機には「MORNING STORY」の音源を収録。浅井さんの本の紹介がスピーカーから流れるので、周りの方もついつい聞き入ってしまう。

高槻店でのイベント開催の経緯を教えてください。

  
 ツイッターでのやり取りから1年後の2017年2月に高槻店が入っているテナントビル内でイベントをやることになり、浅井さんに声を掛けたところ快く引き受けてくださいました。「読みたい本が見つかる噺(はなし)」という浅井さんのトークライブと、ブックカバーのハンドメイド講習の二部構成で企画しました。
 

 浅井文庫会場でサイン会を行うにあたり、浅井さんが番組で紹介した本は自身が執筆した訳ではないので、サインを書くことに抵抗がある、とお話していたことを思い出しました。同時に、紹介本の一覧がどこにもないことに気づきました。そこで両者を解決できる『浅井文庫』という読書ノートを作り、会場で販売することにしました。紹介本の一覧と解説、浅井さんおすすめ本など盛りだくさんの内容です。浅井さんも積極的にラジオでイベントの告知をしてくださいました。


 当日は、お客様がイベント広場に入りきらず吹き抜けにもずらっと並んでいました。流動的ではありますが130人ぐらいは来てくれたと思います。50部作った『浅井文庫』も即完売し、刷り増すことになりました。イベント終了後、紹介した本を買い求めるお客様がお店に押し寄せてスタッフ全員見たことのないとんでもない行列ができました。非番のスタッフも駆けつけて列整理をしてくれました。イベント終了後の1時間で、紹介された本と802コーナーの本を合わせて100冊ほど売れました。これが私にとって初めてのイベントだったのですが、大成功でしたね。お客様も楽しんでいただけたようで、「またやらないんですか」と言われて嬉しかったです。

 ※左図は1号、2号を併せた浅井文庫の合併号。表紙には浅井さんのサインが。

 

ダイハン書房高槻店のトークイベント
イベントホールには幾重にも人垣が!
「司会を務めたのですが、さすがDJは話のプロ。うまく進めていただきました。」岡本              

出会いから一年後にイベント開催するまでどのように関係を築いたのですか。

 
 浅井さんの「おすすめ本があったらどんどん紹介して」という社交辞令を真に受けて、文庫担当と面白そうな本を見つけてはラジオ局に送りました。本屋大賞の作品を番組でご紹介していただけたので、「大阪ほんま本大賞(※2)」もぜひ番組で取り上げていただけないかお願いをしました。作家の増山実先生(2016年度受賞)とは繋がりがありましたので、番組ゲストに呼んでいただいたり、お世話になりました。
 

 そうしているうちに、浅井さんサイドでは商品の動きが見えていない事に気づきました。番組で紹介した翌日に、お客様がその本を求めて本屋に足を運んでくださっていることを伝えたり、出版社の方から出していただいた、放送後の関東と関西の数字のギャップなどをフィードバックすると大変喜んでいただけました。

 
 「本屋でやってみたい事はありませんか?」と伺った際に、「これ流せる?」と「MORNING STORY」の音源を提供して頂いたものは、802コーナーに設置しています。 


 (※2)大阪の本屋と問屋がほんまに読んでほしい本を選び、関西一円の書店で販売するプロジェクト。

現在取り組んでいる活動と、今後の展望を教えてください。

 
 高槻店でのイベントをきっかけに、浅井さん主催で「802ビブリオバトル部」というトークライブ企画が動き出しました。2ヶ月に1度くらいのペースで、2018年1月には第4回を予定しています。このトークライブで本の出張販売はできないかと相談されて、毎回お手伝いさせていただいています。正直、今は人件費などを考えたら赤字です。そこまでして本を売らなくてもいいという声もあります。でも、お客様が「読みたい」と思った時に、そこに本を用意しておくのが書店員の務めのようなもの。今後、もっと大きくできたらなと勝手に思っていますけれども、あくまでもお手伝いなのでどうなるかは分かりません(笑)。


 また、日販が開催している地域ごとの書店祭り「関西書店祭(※3)」の一環として、FM802と何かやりたいと営業担当から相談を受けました。番組プロデューサーの方に協力を得て、「FM802DJが選ぶ いま、読んで欲しい1冊 」というコーナーを関西の本屋約 店舗で展開していただいています。いわゆる当店で行っている802コーナーの拡大版です。ラジオを聞いて買い求めてくるお客様がうちにこれほどいるのだから、他の書店もやったらいいのに、と思っていた夢がひとつ叶いました。今は日販さんだけなので、果ては取次の垣根なく関西の書店で展開できたらと、野望だけは大きく胸に抱いています。


 (※3)2017年11月3日~12月17日開催

ダイハン書房高槻店での関西書店祭とDJ浅井博彰のおすすめ本POP
FM802DJ浅井博章と野村雅夫がそれぞれおすすめ本をピックアップ。自筆のPOPが嬉しい!
                
802ビブリオバトル部第4回フライヤー
岡本さんが描いた第4回のフライヤー。チケット予約は完売御礼!                

全国の書店員さんに一言お願いします

 
 私は本が好きというより商売が好きなんだと思います。好きな本だけ並べていると、棚が図書館みたいになってしまうんですよね。数字を支えるには、売れる棚を考えなくちゃいけない。自分で売り場を作って、お客様から反応があるっていうのは嬉しいじゃないですか。本屋は基本しんどい。でも「売上が低いわー」って言っているより、楽しいこと見つけて楽しんでやるのが一番ですね。厳しいけど、なんとか踏ん張って行きたい。CDショップでアルバイトしていた頃にさんざん憧れたFM802と仕事ができている今、この仕事やっていて良かったと最高に楽しいです。


岡本歩さんのいちおし☆BOOKS

 
ダイハン書房岡本さんのいちおしBOOKS「ひきだしにテラリウム」

   

『ひきだしにテラリウム』
九井諒子著
イースト・プレス
(2013年発行)
 
  


【作品紹介】
文化庁メディア芸術祭「マンガ」部門優秀賞受賞。
『ダンジョン飯』の九井諒子のショートショート。笑顔と涙、驚きと共感。コメディ、昔話、ファンタジー、SF……万華鏡のようにきらめく掌編33篇。


【オススメ理由】
短編ごとに絵柄が全然違い、ストーリーによって絵を完全に描き分けています。
話のまとめ方も秀逸で、よくこんな話思いつくなって感心してしまいます。この人のストーリーの豊富さには頭が上がりません。こんな発想どこから来るんだろう。ダンジョン飯もいいけれど、この本もみんなに読んでほしい!

 

 

 

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   ダイワレター52号  
  こちらの記事はDAIWA LETTER53号に掲載されています
   
 

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   (※記事内容はすべて2018年1月現在の情報です。)                                                                               
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